| ■書籍内容
東京・井の頭自然文化園。地域の人に愛されて生きる「おばあちゃんゾウのはな子」。
はな子には苦難の時代がありました。戦前の動物園で毒殺処分されたゾウを偲んでつけられた名前は、彼女の波乱の半生を予言していたかのようです。
戦後初めて日本にやって来たゾウであるはな子は、2歳半という赤ちゃんゾウにもかかわらず、ひとりぼっちで海を越えてやってきました。
たちまち子どもたちの人気者になりましたが、その幸せはつかの間のことでした。
夜中に動物園に忍び込んだ酔っ払いを事故死させてしまうのです。
悲劇はこれだけに終わりません。
不幸にもよくなついていた飼育員を死なせてしまう事故を、またもおこしたのです。
その処分として鎖につながれたはな子は「殺人ゾウ」の烙印を押され、来園者たちから石を投げられる存在になってしまいました。
心を病み、痩せ細った彼女は、ベテラン飼育員の山川清蔵さんと出会います。
清蔵さん、その後を継いだ息子の宏治さんとの親子二代に渡る温かな交流が、はな子の心を少しずつ開いてゆきます。
生命の尊さ、親子の深い絆、仕事への真摯な姿勢、戦争の残酷さと平和の大切さ―いま大切にしたいメッセージが優しく胸に響く一冊です。

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